ASUS ZenGook UX303L 液晶パネル開閉ヒンジ部破損

UX303LN-4210 2014年11月発売モデル

	症状：液晶開閉部の右側ヒンジ部破損 原因：経年劣化によるヒンジ部の締め付けトルクの増大 　　　長年にわたる液晶部片側だけを持っての開閉動作の繰り返し 作業内容：(一番リーズナブルな方法です) ヒンジ固定部のプラスチック片の接着 (強度が足りないので元の固定方法はできないが土台部の厚みを出すため) ドリルによる天板部への貫通穴開け加工及び、ネジによる貫通固定 お預かり期間：2日 税込：8,640円(修理実施当時の料金です) (参考料金：メーカー修理料金は不明) ・・・メーカーサポートからお店の方と相談してくださいと言われたそうです。 (メーカ修理修理期間：？)

修理作業
(画像をクリックすると別ウィンドウで開きます)	はい。ノートパソコンの定番「液晶ヒンジ部の破損」です。 主な原因は、何度も言いますが「液晶左右どちらかの端だけを持っての片手での開閉」です。 ｢ヒンジの品質が悪い｣とかではありません。 そもそもヒンジってそういう物ですから。 ドアとかの蝶番/丁番(ちょうつがい/丁番)だって、長年使ってたらきつくなったり、きしんだり、緩くなったりしますよね？ それと同じ事です。 ちなみに、蝶番(または丁番)を英語にしたものが｢hinge(ヒンジ)｣です。 ましてや、ドアなんかで使ってるような「大きくて、部品点数も少なく、作りが大雑把で、締め付けトルクがいい加減でゆるゆるでも使えるような物」とは違い、こっちはただでさえ小型で壊れやすいのに、「繰り返し開閉動作を行っても途中で止めたらそのまま自立するだけの締め付けトルクを維持しながら、長きにわたってスムーズに開け閉めできる機能」が求められてます。
(画像をクリックすると別ウィンドウで開きます)	※右側のヒンジ固定部の写真 というわけで、このノートも右側のヒンジ部がいってます。 ヒンジカバーの膨らみ方(ズレ方)からしても、受け部のベース樹脂の割れだと思われます。 この薄型モバイルノートの液晶部の厚みと、液晶パネル周りの外縁部の幅的にベース部がかなり細いと思われます。
(画像をクリックすると別ウィンドウで開きます)	※ボトムカバーを取り外した状態 そのままでもヒンジカバーを外せそうだったんですが、膨らんでズレているせいで引っかけてある爪がきつかったので、作業しやすいように液晶部と本体部に分離することにしました。 ボトムカバーを外してやるとさくっと本体側のヒンジ固定部が現れました。 (写真中の赤丸印のところです) マザーボード側に繋がっているWi-Fiアンテナ線のコネクタと、ディスプレイケーブルのコネクタを外してからヒンジ固定ネジを外します。
(画像をクリックすると別ウィンドウで開きます)	※液晶部を分離した状態 　(別名：パイルダーオフした状態 といいますw) 分離後、ヒンジカバーを外すとガッツリと割れていました。 ヒンジカバーが膨らんでいたのは、割れた樹脂とヒンジが内部から押し広げるようにして噛み込んでいたためでした。 そして案の定・・・元々のベース部分の面積が狭い。 そして樹脂も薄い！しかも薄い樹脂が重なっているような構造！ 強度がないのも納得です。
クリックで大きな画像が別ウィンドウで開きます	※右側ヒンジ部のネジ及び樹脂片 お客様に状態をお伝えし、定番の穴開け方式でいくこととなりました。 この機種は天板が金属製なのですが、薄いので穴を開けること自体は問題ないのですが、やはり問題は全体的な厚さが薄いことによる強度が心配です。 とりあえず樹脂用の強力接着剤で割れたパーツ同士を繋ぎ合わせるようにして、真鍮製のネジ受けごと成形し直してベース部の厚みと強度を確保することにしました。
クリックで大きな画像が別ウィンドウで開きます	※ごめんなさい。 　穴開けました！って感じの貫通写真撮るの忘れました。 接着剤で繋ぎ合わせた上から、UV接着剤で覆うようにしてさらに固定。 真鍮製のネジ受けのネジ穴ごとドリルでひとまわり大きな穴を天板を貫通するまで開けました。 あとはネジでヒンジを取り付ければ、あとは組み立てるだけです。
クリックで大きな画像が別ウィンドウで開きます	ヒンジカバー内にヒンジ部が収まる設計なので開いた時には今までと見た目は変わりありません。 ちょい開き・普通開き・大開きのいずれの位置でもしっかり止まります。 開閉動作自体もスムーズです。
クリックで大きな画像が別ウィンドウで開きます	※元々天板が金属素材なので逆にある意味かっこいいかなとも思えますね。 返却時には、｢真ん中を持つか、両端を持っての開閉を心掛けてください｣とお伝えして返却いたしました。